科研費獲得のコツは?

先日,科研費の採択率向上を目的とした講演会があった。講師は某旧帝大の先生で,助手の頃から教授になるまでの20年近くの間,ほとんど継続して競争的資金を獲得して来たという先生。

COEなど大規模プロジェクトを含め,申請した書類の採択率は9割近いとか。まぁ,旧帝大の先生ともなれば,これくらいは普通なのかもしれないけど,毎年不採択ばかりのワタシから見れば超人的な実績。

そんな先生が仰ってた採択されるコツは,オーソドックスで奇を衒うことなく,謙虚で実直なやり方なので驚いた。おそらく,こういうコツは誰でも頭では分かっていると思うんだけど,なかなか実践できない。それが実績を残す人とそうでない人との差なのかな。

で,そのときのメモ書きを備忘録代わりに残しておきます。ただし,参考にする場合はご自身の責任でどうぞ。

  • タイトルは一読して直ちに理解出来るものとし,出来るだけ短く。研究目的や計画は5分程度の斜め読みでも理解出来る内容にする。
  • 審査員はタイトルで申請書を読む意欲が決まる。タイトルだけで採択不採択を半分程度決めてしまう人もいる。
  • 申請分野や分科は十分考慮すること。
  • 研究計画は十分に練られていることを印象づけること。パイロットスタディの結果があれば尚良い。
  • 研究実績に余白を作らないこと。申請内容がよくても,実績欄に余白が多いと研究の遂行能力が疑われる。学会の地区大会でもいいし,第3著者や第4著者のものでもいいので,書けるものはすべて書いて出来るだけ埋めること。
  • 審査員の専門と自分の専門が合致するとは限らない。合致しないときは,過去の実績をみて判断することもある。その際,査読付き論文数が多いと,論理的に纏められる能力があると判断する。
  • 研究の成果はどのような形で社会に貢献するのか,その熱い思いを語ること。世の中のトレンドを取り入れるとさらによい。熱意は文章ににじみ出るもの。読み手に必ず伝わる(逆に意欲のなさや自信のなさも伝わる)
  • さらに,社会的貢献について具体的な数値が述べられるとさらによい(たとえば,エネルギー効率を最低でも2割増にすることが可能,CO2を最低でも30%削減出来る,など)
  • 研究である以上,独創性は当然求められるが,真にオリジナルな研究テーマはそう簡単に見つかるものではない。従来手法の組み合わせや改良なども独創性として主張して良い。
  • 若手研究は基盤研究に比べ,何かと優遇されているので,若手で申請出来る人はその方がよい。
  • 字を大きめ,行間を広めにすると(老眼の)審査員は読み易くて望ましい。
  • 重要なキーワードを太字や網掛けにするのも効果的。やり過ぎはうるさくなるので注意。
  • ポンチ絵や写真は出来るだけ盛り込んで見やすくする。ただし,モノクロ印刷したものが審査員に届くので,カラフルにしても意味がない。
  • 若い先生に多いが,まるで自分がその分野の権威であるかのような書き方をして,自分はこんなに凄いことをするんだという主張を見かける。こういう内容は審査員をうんざりさせるだけ。
  • メジャーな大学と連携して,その威光を借りながらでも粛々と実績を残している研究者は好感が持てる。
  • 基盤Cと若手では,高インパクトファクタの英文ジャーナルの実績がなくても,日本語の論文誌の実績でもいいだろう。
  • 過去に助成を受けた実績は,学内の競争的資金であっても臆せず書いた方がいい。
  • 審査員によって評価がばらつくような(奇を衒った)書き方ではなく,誰が読んでも一定の評価が得られるような(ある意味,無難な)書き方が望ましい。
  • 申請分野に関連する国内の学会で発表し,名前と顔を知ってもらうことも重要。

今回は出来るだけこれらに留意したつもり。あとは運を天に任せることにする。