Full Paperを投稿完了!今年の1編目

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社外の共著者の方のご協力を得て,何とかFull Paperを投稿しました.今回はあまり欲張らず,まぁまぁのレベルの学術ジャーナルにしました.

あ,研究者じゃない方のために少しだけ説明しますと,学術ジャーナルに自分の書いた論文が掲載されるとそれが研究者としての業績となり,それが業績評価の基本です.

で,論文と一口に言っても,学会発表用の2ページ程度の予稿も論文と呼ぶこともあるので紛らわしいですが,通常は学術ジャーナルに投稿する2段組み6ページを標準とするFull Paperのことを「論文」といいます.

標準的な研究業績は?

標準的な業績をどの程度と見るかは分野によってかなり異なると思いますが,私が新人研修のとき言われた基準は,

  • 第1著者として書いた論文が1年に1編掲載

が最低ライン.研究が軌道に乗れば論文を量産するのもそんなに難しくないけど,ちょっと専門から外れる事を新規に取り組もうとすると,勉強もしないといけないし,準備にも結構時間がかかるものです.

そして,掲載される学術ジャーナルもいわばピンキリで,NatureやScienceのような世界ナンバーワンを競うようなものもあれば,身内(同じ学閥)だけの同人誌のようなものもあります.

Impact Factorとは?

こういうピンキリの学術ジャーナルですが,「格付け」を表す数値があって,それがImpact Factor(IF)と呼ばれるものです.この数値が高いジャーナルほど,他の論文に引用されることの多い優秀な論文が掲載されている「価値の高いジャーナル」という評価になります.

だけど,これも分野によってかなり数値に開きがあります.

一般に,生物,医学,化学系のジャーナルはIFの数値が高く,工学系のジャーナルはあまり高くない傾向にあります.なぜこうなるのかはよく分かりませんが,生物系や医学系は(予想ですが)同一分野のジャーナル数がもともと少なく,限られたジャーナルに優秀な論文が集中する傾向にあるのかな?と思います.

逆に工学系のジャーナルは,それこそピンからキリまでゴマンとあるので,優秀な論文がいろんなジャーナルに分散しやすいような気がします.そんなところが原因なのかな?

ちなみに私の分野では,IFは大体以下のような感覚で見られてます.

  • 高い:3以上
  • やや高め:2〜3
  • 普通:1〜2
  • やや悪い:0.5〜1
  • 悪い:0.5未満

こんな感じです(あくまで感覚的なものですが).昨年,私が投稿したけど不採択で突き返されたジャーナルは2前後でした.IFがついてなくてもレベルの高いジャーナルはたくさんあります.

また,特に海外の研究者は,仲間内で出版したジャーナルにガンガン論文を掲載して,それを相互に引用しまくってIFの数値を人為的に引き上げるという反則スレスレ技を使っているところもあります.

日本人は大人しいのであまりそういうことをしないけど,そういうずる賢さも少しは必要なのかもしれませんね.日本の学会が発行する英文ジャーナルのIFが低いのはそういうところに原因があるという意見も聞いたことがあります.

ちなみに,電子情報分野で国内最高峰のIEICE TransはIFが0.5前後しかなく,電気学会のIEEJ Transで0.3前後,情報処理学会が発行するJournal of Information Processing (JIP)はIFがない(審査したけどつかなかったのでゼロ)と聞いた事があります.

だけど,これらのジャーナルが「鼻くそレベル」かといえば,決してそんなことはありません.特にIEICE Transは採録率が35〜40%くらいなのでかなり厳しい部類にあると言えます.

ちなみに情報系の場合,世界で最もIFが高いジャーナルは,IEEE Trans. on Pattern Analysis and Machine Intelligence ですが,これでも5前後.情報系のように速報性が求められる分野では国際会議の権威が他の分野より高めなので,ジャーナルよりそちらの方が優先されることもあり,他の分野に比べるとIFが低い傾向にあります.

今回の投稿先は?

それで,今回の私の投稿先は海外の出版社が発行しているジャーナルで,出版社はそれなりに有名なところなです.でも,ジャーナルのIFはついてません.

IFがないということは,どこの馬の骨とも分からんので事前にジャーナルのレベルを調べておく必要があります.出版社が有名なところなので大丈夫だと思ってましたが,一応無料で閲覧できるサンプルの論文をいくつか見てみました.

結果はまぁまぁかな? それほど高くないけど低くもない.日本で言えば,IEEJ Transくらいのレベルに思えました.雰囲気はこんな感じ↓

それに,多くの論文では acceptedからpublishedまでが1〜3ヶ月くらいだったのでやや早い方.たぶん,1ヶ月だった論文は修正なしで一発で採録決定になったんだと思います.

この期間は結構重要で,査読期間にそのまま対応します.なので,これが2日とか1週間とかいうジャーナルは明らかに不自然.ほとんど査読らしきことをしてないことを意味します.逆にこの期間が1年近くもかかっているジャーナルは事務的に怠慢だったり,査読者がいい加減だったりする可能性が大.

こういう視点でもクソなジャーナルをある程度見分けることが出来ます.今回見かけた中には,インド系や中国系でこういうジャーナルがいくつかありました.

勢いがあるうちに・・・

今回の論文が査読されている間に,もう1つのネタも論文にまとめようかなと思ってます.こちらは一昨年前に結果が出てたけどお蔵入りにしてしまったもの.お蔵入りしたくらいだから,あまり高IFのジャーナルは厳しいけど,それなりの所には出せそうです.

もし,9月までに2つとも採録が決まれば,来年の科研費申請に間に合います.グッと可能性が高まるかなと思ってます.




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