一般に理系研究者の英語力はどのくらいか?

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私が英検1級を目指していると言うと,多くの人はこんな感想を漏らします.

  • 英検なんて学生が受けるもんじゃないの?
  • 1級なんかとっても意味ねーじゃん.TOEICの方がよくない?
  • え?英検1級くらいならとっくに持ってると思ったけど・・・

英検という検定試験の存在は知ってるけど,それぞれの級(特に1級)がどの程度のレベルなのかあまりわかってない人が多いようです.

確かに,我々専門分野の人間が国際会議で議論する内容はあまりにも専門的なので,時にはプロの通訳でさえ知らない単語が出てきます.だからなのか,

そんな恐ろしく難しい単語を使いこなして博士を持ってるんだったら,英検1級くらい楽勝なんじゃない?

と思うらしいですけどね・・・・(苦笑)

それ,認識がとっても間違ってます.

英検1級レベルの理系研究者はほとんどいない

あくまで私の感覚なので,他の人は別の感覚かもしれません.また,人文系研究者のことはわかりません.

私は大学院時代から国際会議に参加し,発表し続けてきました.就職した後に本格的に勉強を開始.かなりノロノロのペースでしたが,2010年に30後半でようやく準1級に合格しました.

その間,特に日本で開催された日本人研究者が多く参加する国際会議をたくさん見てきましたが,その感覚でいうと,多くの日本人研究者の英語レベルは,

英検2級の上位〜英検準1級くらい

だと思います.例外的に流暢な人もいますが,まぁ大方そんなところです.

英検1級レベルの単語は理系研究でも使用頻度が高い

だけど,単語だけみれば英検1級レベルの単語が理系研究でよく使われます.たとえば,Pass単を眺めると「出る度A」で出てくる以下の単語,

implement
manipulate
fluctuate
enhance
trigger
unravel
verify

などはごくごく普通.使いこなせないとダメな必須の単語です.他にも「出る度B」だと

stimulate
clarify
elaborate
extract
integrate
scatter
stabilize

なども.「出る度C」だと

tackle
deduce
mount
hypothesize
enumerate
impede
scheme

なども普通に使われます.私が最初にPass単を見た時,

「え?こんな単語が1級レベルなの?」

と驚いちゃったくらいです.それは私の語彙力が高いのではなく,こういう論文表現によく使われる単語は覚えていたので,自分の中で難しい単語という認識がなかっただけです.

また,理系の論文は構文的に難しいものがほとんどないという特徴もあります.書く側は出来るだけ分かりやすく,明瞭簡潔に書くことに心血を注ぎますから.

だからぶっちゃけ言うと,英検2級レベルの読解力でも辞書さえあればなんとかなります(内容を理解できるだけの専門知識は必須ですが・・・)

若い研究者の中には相当うまい人もいるが・・・

もっとも,最近の若い研究者の中にはとても上手に英語が喋れる人が多くなってきたような気がします.

昔と違って,海外へ行くチャンスがはるかに多いし,読み書きより会話にシフトしてきた中学高校の英語教育が大きく関係してるのかもしれません.だけど,喋るのはうまくても論文を書かせると稚拙な文章しか書けない人もいます.

日本人が英語で書いた論文を査読することもありますが,第1著者が大学院生だったりするとかなり酷い英文だったりします

そういう人たちのリーディング力や語彙がどの程度なのか分かりませんが,ライティングと同程度であれば,英検1級の合格は相当難しいと思います.

まぁ,研究者にとって英検やTOEICなどは不要です.必要最小限の英語力があれば十分という考えなのかもしれませんが,査読者からすると,あまり英語レベルが低すぎるとせめて校正した後で投稿してほしいと思ってしまいます.

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